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カフェインについて

コーヒーといえばカフェインがたくさん含まれているとイメージがあり
体に良くないように思われがちなようなので調べてみました。


 カフェイン含有植物

カフェインはテオフォリンやテオブロミンとともにメチルキサンチン類に分類される化合物で、これら3種類の化合物はキサンチン骨格にメチル基が2個または3個結合したもので化学構造が互いに類似しており薬理作用に強度さはあるがほとんど同じ特徴を持っている。メチルキサンチン類を含む植物は28属、17科以上に及ぶが日常生活で嗜好品として利用する植物はコーヒーの木、茶木、カカオ木である。
カフェインは、1820年ドイツの科学者F・ランゲによってコーヒー豆から単離された。彼は「コーヒーの基本物質」という意味のカフェベースと命名しこれがカフェインに変化した。
カフェインの薬理作用

気管支拡張作用
 カフェインはさまざまな平滑筋を弛緩させるが、この作用が関係する最も重要な部位は気管支筋である。気管支喘息発作の最中にカフェイン類を投与すると収縮していた気管支は拡張に向かい呼吸困難が軽快する。気管支拡張作用はメチルキサンチン類の中でテオフィリンが最強で気管支喘息の症状改善に臨床使用されている。
 




コーヒーの種類

レギュラーコーヒー
 焙煎したコーヒー豆を粉砕し熱湯で抽出したのがレギュラーコーヒーである。
豆の種類・焙煎の程度・湯の量や温度・抽出時間によってコーヒーの中のカフェインの量は異なってくる。
インスタントコーヒー
 焙煎したコーヒー豆を粉砕し熱湯または特定の溶媒で抽出し抽出液を乾燥させて得られたエキスがインスタントコーヒーである。乾燥法には加熱乾燥・低温減圧乾燥・冷凍乾燥などがある。
脱カフェインコーヒー
 コーヒー豆をカフェイン溶解性の高い溶媒(通常は塩化メチレン)と煮沸してカフェインを取り除き残った豆を乾燥して焙煎する。ヨーロッパでは塩化メチレンの使用が許可されていないので、脱カフェイン処理に温水が使われる。脱カフェイン処理の工程でカフェインだけでなく味・香りも一部取り除かれるので脱カフェインコーヒーにレギュラーコーヒーやインスタントコーヒーを越える風味を期待するのは無理である。特に温水の場合は風味の低下傾向が著しい。コーヒーの豆から分離されたカフェインは大部分がコーラ飲料などの添加用に利用される。
強心・利尿・血管拡張作用
 メチルキサンチン類は循環器系に対して特に影響を及ぼすが、特に心臓機能に対する刺激作用は比較的顕著である。その効果はテオフィリンが最も強く、カフェインの強心作用はテオフィリンより弱く中枢作用が強いこともあって臨床利用されることはほとんどないがコーヒーや茶の摂取後にしばしば自覚される。テオフォリンやカフェインを投与すると、心臓機能の上昇に加え、血管平滑筋に対する弛緩さ様のため血管が拡張子、ほとんどの臓器で循環血流量が増加する。腎臓を通過する血流量も増え糸球体ろ過量が増し尿量の増加が引き起こされる。コーヒーや茶を飲むとトイレが近くなるのはカフェインの強心・利尿作用を反映したものである。一方末梢血管とは異なり脳血管はカフェインによって収縮する。この作用は、カフェインが高血圧症の頭痛の軽減に有効であることにつながっている。大量のカフェインやテオフィリンを投与すると頻脈が誘発され、高感受性の人では不整脈が起こることがある。しかし、大量のカフェイン摂取後の不整脈は一過性であることが多く、大きな問題になることは少ないという。狭心症や先天性心室欠損の患者でも通常の喫茶で摂取されるカフェイン量(100mg以下)であれば不整脈や心臓発作の誘発リスクはそれほど高まらないとされている。日常生活で摂取される程度のカフェインで血管抵抗性や赤血球変形能はほとんど景況されず、血液流動性の変化は生じない。

茶木の種類

中国種
 中国種はポリフェノール(カテキン)含有量が比較的少ないので苦渋味が弱く緑茶やウーロン茶に適している。
アッサム種
 インド、スリランカ、インドネシア、などの熱帯地域で栽培されている茶木でカテキン含有量が多くて苦渋味が強いので緑茶には適さず、大部分が紅茶の製造に用いられる。

茶の種類

緑茶
 摘み取った直後の生茶葉に高温上記を吹き付けたり、短時間熱して茶葉中の酵素活性を阻害してカテキンを主とするポリフェノール類の酸化・重合を防ぎ、乾燥したのが茶葉である。
日本茶の高級茶は、乾燥の過程で茶葉を良く揉み細く撚る処理が施される。
一方中国茶では高級茶であっても撚る処理は行わない製品が多い。茶の苦渋味はカフェインとカテキンによるが前者は苦渋味きれの良い苦渋味後者は持続的な苦渋味を引き起こしている。旨みと甘みはテアニンを主とする各種のアミノ酸による。
日本茶は大部分が蒸製茶で玉露,抹茶(挽茶)、煎茶番茶などがある。

 カフェインは脳幹だけでなく大脳新皮質や辺緑系に対して刺激作用を示す。刺激作用は思考や活動性の上昇といった精神運動刺激作用を引き起こす。この効果は一杯のコーヒーが朝の目覚めを促したり深夜の眠気の解消に有効であり、また疲労感を軽減する。この作用は中枢神経系の機能低下状態の治療にも有効である。カフェインは抑うつ患者の意欲改善にも有効であるという意見がある。

 メチルキサンチン類は骨格筋の収縮や疲労抵抗を高め、運動能力の維持に有効なことは良く知られている。カフェインによる疲労抵抗の増大や運動能力の維持は、持久力が必要な協議の成績向上につながりやすい。自転車のロード選手にカフェインを投与した場合320mgで単位時間当たりの走行距離が最大で20%増加し500mgでは2時間にわたって走行中のエネルギー消費量が約7%上昇し疲労感が軽度であったという。クロスカントリー競争の成績もカフェイン投与で向上しこの効果は海抜が高いほど顕著であったとの報告もある。このようなカフェインの運動能力向上効果のため、血中カフェインの濃度がコーヒー2杯(カフェイン量で200mg)以上の摂取に相当すると疑われた場合は、ドーピングによる失格の対象になることがある。競馬では、血液中からカフェインが検出されれば即失格である。一方、カフェインの投与後は筋緊張が高まり、射撃やアーチェリーなどの微妙な骨格筋運動要求される競技では成績が低下しやすい。



ウーロン茶
 茶葉中のカテキンの酸化重合反応(発酵)を熱を加えて途中で中断させたのが半発酵茶でその代表がウーロン茶である。
ウーロン茶に用いられる茶僕は緑茶から紅茶用まで広範囲にわたっている。

紅茶
 生茶葉を軽く乾燥した後で揉んだり(リーフティー)、細かく刻んだり(ブロークンティー)して細胞内の酵素を遊離させてカテキンを十分に酸化・重合させたものが紅茶である。この処理でカテキンが寺不ラビンなどに変化するので茶葉は黒色になり、苦渋味が軽くなる。テラフラビンは水に難溶性であるが熱湯を注ぐと一部が抽出され来い橙赤色になり独特の味と香りが生まれる。












 メチルキサンチン類は、各種組織や分泌腺における分泌に影響を及ぼすが、最も顕著なのは、肥満細胞からのヒスタミン遊離に対する抑制作用である。また、障害された細胞から生成する炎症誘発物質の遊離も軽減される可能性がある。さらに、各種の炎症モデルにおいてカフェインが軽度ながら抗炎症作用を示し解熱鎮痛消炎薬の効果を増強することが知られている。

 メチルキサンチン類は胃液や唾液の分泌を高めるが、一般的に男性の方が女性より高い。胃液や唾液分泌の適度な沿うかは食欲増進や消化促進につながる。コーヒーや茶が食事と密接に関係しているのはこの点にある。しかし大量の胃液分泌は胃炎や胃潰瘍の発症原因になる。

 やや大量のカフェイン(1kgあたり4〜8mg)を健常者あるいは肥満患者に投与すると、遊離脂肪酸の血中濃度が上昇し、基礎代謝が上昇する。カフェインの代謝促進作用は、肥満予防や減量に応用出来ると考えがちであるが、明確な効果が出現する用量では副作用の問題があるので勧められない。

カカオ
 カカオ木は南米・アマゾン河流域の熱帯雨林を原産とする青桐科の常緑小高木である。
カカオの果実の中に果肉に包まれた20〜40個の種子(カカオ豆)が含まれている。採取されたカカオ果実は発酵させカカオ豆と分離させ、乾燥し出荷される。乾燥カカオ豆は焙煎され粉砕されて殻が取り除かれる。これはチョコレートリカーと呼ばれチョコレート独特の香りを持つが脂肪(ココアバター)や不純物が多く味は悪い。
ココア
 チョコレートリカーを圧搾してココアバターを取り除いたものがココアケーキである。この製法はオランダ人のvan・ホーテンによって開発され、メチルキサンチン類、アミノ酸、たんぱく質、ポリフェノール、繊維分は残っている。さらにオランダにおいてココアケーキのアルカリ化法(ダッチング処理)が開発され、これによって湯に溶けるココア粉が製造された。
チョコレート
 チョコレートというと一般的にはミルクチョコレートを指している。これはダッチング処理したチョコレートリカーに砂糖、精製ココアバター、牛乳、乳固形成分、香味料などを加えて練り上げさらに加熱して不要な揮発成分を取り除いて作られる。













 カフェインが気分高揚をひき起こすことは、多くの研究から明らかになっている。1〜2杯のコーヒーを飲むと集中力の増大・維持、眠気の消失、疲労感の減少などがひき起こされる。しかしカフェインの精神興奮作用はいつでも誰でも発現するわけではない。気分に及ぼすカフェインの効果は、個人の性格、日常生活におけるカフェインの摂取量など個人を取り巻く状況により著しく相違する。

 軽度のコーヒー摂取者は入眠時間の延長が見られたが毎日5杯以上の重度のコーヒー摂取者では入眠時間の延長を示したものは小数であった。この結果カフェインは睡眠障害をひき起こすが、その効果に対して軽度の耐性が形成される可能性を示している。

 高齢者は一般的に茶が好きで日常的に飲んでいる人が多い。高齢者は生理機能の全般的低下に伴って、睡眠障害のリスクが高まってくる。また肝臓や腎臓機能の老化でカフェインの代謝・排泄機能も低下している。そのためカフェインの中枢刺激作用による睡眠障害は加齢と伴に強まる。飲茶に夜よる水分摂取とカフェインの強心・利尿作用で尿量が増えることも不眠やその傾向を強める可能性が高いのである。夕方以降はカフェイン含有量の少ない番茶か煎茶なら2番煎じや3番煎じにするのが無難である。

 カフェインと労力や労働生産性との関係が長年にわたり研究されており、肉体的あるいは精神的疲労を伴う労働生産性を向上することが明らかになっている。
コーラ
 コーラ木はアフリカ、ナイジェリア南部原産のアオギリ科の常緑高木で果実中に5〜9個の種子(コーラナッツ)がある。コーラナッツには2〜2.5%のカフェインが含まれている。コーラナッツのエキスはコーラ飲料の主要構成成分であるが、大部分は脱カフェインコーヒーの製造工程で出来たカフェインを別途添加したものである。
ガラナ
 ガラナ木は南米アマゾン、オリノコ、ネグロ河流域の熱帯雨林に自生するムクロジ科の常緑高木である。採取される樹脂がガラナで2〜6%のカフェインが含まれている。ガラナエキスは日本で販売されている一部のビタミン含有保健薬(強壮ドリンク剤)に添加されている。
アイレックス(マテ)
 アイレックスは南米・パラグアイ原産のモチノキ科の常緑小高木でその葉に1〜2%のカフェインが含まれている。アイレックスの葉から作られた飲料はマテ茶と呼ばれ南米諸国では盛んに飲まれている。
カッシーナ
 カッシーナは北米原産のモチノキ科の植物で葉に1〜2%のカフェインが含まれている。インディアンの間で神聖な飲み物として使用されてきた。現代はあまり使用されていない様だ。



 カフェインの中枢刺激作用により、精神的疲労が
原因で集中力や認知力が低下している状況では、学習・記憶課題の遂行が向上することがある。しかし正常状態では学習・記憶の促進はほとんど生じない。あたかも学習が促進されたように把握されたとしても、そのほとんどはカフェインによって単に行動活性の増加をひき起こされたことによる見せかけ上の改善にすぎない。

 一般に、脳内に入力された記憶情報は、脳内環境と外部環境が入力時と類似している状況で効率よく再任・再生される。この現象は状況依存学習という。中枢神経に影響を及ぼす薬物はさまざまな脳内環境をひき起こすので、しばしば状況依存学習の形成が把握される。たとえばほとんどの学生は、試験期間中は深夜にコーヒーを飲んで眠気を解消しながら、一夜漬けの勉強をしていることだろう。つまり、カフェインの中枢作用発現下で学習・記憶が行われているのである。状況依存学習の形成を考慮すれば、コーヒーを飲んで記憶された勉強内容は、試験直前にコーヒーを飲むことで記憶の再生が最も効率よく行われ、好成績がとれることになるはずで、実行してみる意義はありそうである。

カフェインの摂取量
 

コーヒー・茶中のカフェイン量
 コーヒーは乾燥したコーヒー豆には1〜2.1%のカフェインが含まれているが熱湯を注いでも全部が浸出されるわけではない。




 人はなぜコーヒー、茶、コーラ飲料を飲み、チョコレートを食べるのだろうか。それはこれらに含まれるカフェインやテオブロミンが脳に作用をして快感をひき起こし、人々を魅了するからである。このような特性は依存性といい、覚せい剤、コカイン、麻薬性鎮痛薬、アルコール、ニコチンといった各種依存・乱用性薬物と共通する性質である。しかし、カフェインやテオブロミンの摂取を繰り返しても、覚せい剤コカイン、麻薬性鎮痛薬などの薬物と違って、心身の破滅的障害がひき起こされることはほとんどない。だからこそ嗜好品と咲いて日常生活の中で受け入れられたのである。
コーヒー中のカフェイン量について
種類 平均(mg) 範囲(mg)
レギュラーコーヒー
(約150ml)
ドリップ 115 60〜180
パーコレーター 80 40〜170
インスタントコーヒー 65 30〜120
脱カフェインコーヒー
(約150ml)
ドリップ 3 2〜5
インスタント 2 1〜5

紅茶中のカフェイン量
種類 平均(mg) 範囲(mg)
紅茶
(150ml)
ドリップ 50 20〜110
ティーバッグ 30 25~50
アイスティー(350ml) 70 67〜76

代表的なソフトドリンクの中のカフェイン量
代表的な飲料
(350ml)
カフェイン量(mg)
コカ・コーラ 45.6
ダイエットコーラ 45.6
ペプシコーラ 38.4
ダイエットペプシ 36
ペプシライト 36

 一杯のコーヒーや紅茶の中のカフェイン量を正確に推定するのは困難である。代表的な緑茶の場合茶葉を約10g入れてお湯を注ぐと一番茶では約100mgのカフェインが抽出されこれを2〜3人に分けて飲むのでカフェイン量は30〜50mgになる。しかし日本茶は二番茶や三番茶も飲まれるのでそれらのカフェイン量は一番煎じの数分の1以下まで低下している。杯数だけで比較すると、緑茶から摂取されるカフェイン量はコーヒーや紅茶に比べると少なくなる。茶道において煎茶が(薄茶)と呼ばれる理由がここにある。抹茶や煎茶の粉を直接飲む場合は茶葉中に2〜3%含まれるカフェインがそのまま吸収されるのでカフェイン摂取量は多くなる。茶道において抹茶が(濃茶)と呼ばれる理由はここにある。一方、脱カフェインコーヒーのカフェイン量はレギュラーコーヒーの50分の1以下である。また茶葉以外の植物や花で作ったハーブティーや健康茶にはカフェインは含まれていない。









 通常のコーヒー、茶、コーラ飲料、チョコレートの摂取では、身体面および精神面の不快症状がひき起こされることはほとんどない。また、これらに含まれる主要成分のカフェインの薬理作用は他の中枢作用薬に比べればかなり弱い。しかし、カフェイン、テオフィリン、テオブロミンはいずれも生態に影響を及ぼす薬物であることには変わりはなく量によっては有害作用が現れる。

 喫茶を介したカフェインの過剰摂取に起因する死亡事故はほとんどないが成人では5〜10グラムを投与すると急性中毒死が起こると考えられている。ただしカフェインの感受性の高い一あるいは肝臓障害のある人で
わずか1gの摂取で死亡した例が報告されている。

 喫茶を通してカフェイン摂取を続けても,健常人であれば蓄積あるいは額体制の形成による効果の増強はほとんどみられない。もちろん厳格・妄想といった精神症状の出現もまれである。

 メチルキサンチン類に発がん性があるのではないかと疑われたことがあったが、実際いくつかの疫学調査で葉、コーヒー摂取と膵臓、腎臓、膀胱がんとの間に相関性があるとの結果が得られている。しかし、いずれの報告でも、調査対象者の選別や生活習慣の影響評価に問題があり、これらの臓器におけるカフェインの発がん性について断定することは出来ない。重度のコーヒー摂取者に肺がん罹患者に喫煙者が多く、免疫調査で明らかになっている。しかしコーヒー摂取と肺がんとの直接的な関連は否定的でむしろ重度のコーヒー摂取者喫煙者が多く、にタバコが原因と考えられる。ただし喫煙の肺がんリスクをコーヒー摂取が高めている可能性は否定できず、さらに検討が必要である。

 テオフィリンは急性心不全の治療に用いられている。しかし免疫調査によれば、コーヒーを全く飲まない人と比較して、一日5杯以上の重度のコーヒー常用者では虚血性心疾患(狭心症)の発症リスクが薬.5倍、55歳以下の成人における非致命的心臓アタックの発生リスクが約2倍高いという結果が得られている。関連症状として血中コレステロール値の上昇が認められているので、新機能障害の原因はカフェインではなくミルクや砂糖であるとの反論があるが、本当の原因は不明である。カフェインは強心作用や血管拡張作用を示す。虚血性心疾患患者では、コーヒーの摂取直後は強心作用により心臓の酸素要求量が高まり、また摂取中断後は血管拡張作用に対するリバウンドで冠動脈の狭窄が生じて、心臓アタックリスクが高まる可能性が否定できない。このような要因を考慮すると虚血性心疾患患者は、大量のコーヒー摂取を避けるのが無難である。

 カフェインやテオフィリンによる胃液分泌の増加は、適度であれば食欲増進に有用であるが、過剰では消化性潰瘍のリスクを高めることになる。実際、重度のコーヒー摂取者は、非摂取者あるいは軽度摂取者より慢性胃炎の出現率が高いことが知られている。お茶や紅茶は胃にやさしいのでのめるという人はすくなくないが同じぐらいのカフェインは含まれているので同じ結果になる。コーヒーが胃に良くないと思いがちなのは、その味や香りが強く、胃粘膜を刺激する傾向があることに加えて、コーヒーは強いという思い込みもある。コーヒーにミルクを加えると胃液分泌量は減らないが、胃粘膜に対する直接的な刺激はやや暖和される。
カフェインの体内動態

メチルキサンチン類(カフェイン、テオフォリン、テオブロミン)の化学構造は神経伝達物質のアデノシンおよび核酸塩基のアデニンと類似しているが、生態にとっては異物で、吸収後は代謝を受けて体外に排出される。

吸収
 経口摂取されたカフェインは一部が胃粘膜から吸収されるが大部分は小腸粘膜から吸収される。胃から小腸への移動時間が効果発現時間および強度に強く影響する。胃内に食物があると小腸への移行が遅れるのでカフェインの効果は緩やかである。空腹では効果発現は早く、強くなる。メチルキサンチン類の中では相対的にカフェインが一番水溶性が高く腸管粘膜から物質が吸収されるためには、水に溶けた状態でなければならない。温かいコーヒーや茶を摂取すると、カフェインは小腸粘膜から大部分が吸収され、血液濃度は30分〜1時間後に最高値に達する。食事や時刻などの条件を厳密にコントロールした実験に寄れば、約160mgのカフェインを含むコーヒーを飲んだ場合カフェインの血中濃度は100mLあたり約6マイクロmgに達した。しかし血液中のカフェインすべてが薬理活性を発揮するのではなく約35%は不活性状態で存在する。一方アイスコーヒーやアイスティーコーラ飲料といった詰めたい飲料を飲んだ場合のカフェイン吸収率は温かいコーヒーや茶の摂取後よりも緩やかで最高血中濃度に達するのは1〜2時間後である。冷たい飲料を摂取すると、胃や小腸粘膜の毛細血管が収縮したり胃運動が低下するためである。

コーヒーの効果をめぐる最近の話題
 最近の健康志向の高まりを反映して、コーヒーの効能ついて注目され、多数の知見が報告されている。それらをみると薬理学的に最も活性が高いメチルキサンチン類(カフェイン、テオフィリン、テオブロミン)ではなく、他の成分、特にカテキンやアミノ酸と関係づけたものが多い。また健康によいからといって、コーヒーを多量に摂取すると、有害効果が現れる可能性があるのことに注意しなければならない。
がん予防効果
 コーヒーに含まれるカフェインは胃液分泌を促進し、また胃粘膜を刺激するので、胃粘膜障害をひき起こし足り、胃がんの原因になると考えられてきた。確かに、多量のコーヒー摂取者は、胃の不調を訴える割合が高い。しかし、厳密にコントロールされた研究者から、コーヒーと胃癌の関連はほぼ否定されている。コーヒー摂取と肺がん、あるいは膀胱がんの発症との関係を指摘する報告がある。しかしコーヒー常用者には同時に喫煙をするものが多く、ガンの発症原因はタバコにあると考えるのが一般的である。最近愛知県のがんセンターの研究グループは、コーヒーに胃がんや肝臓ガンの予防効果があるのではないかという調査結果を出している。産業医科大学のグループは毎日コーヒーを飲む人は飲まない人よりも肝臓ガンの罹患率が低いという結果が得られている。コーヒーを焙煎すると、ポリフェノール類が熱編成して変異原性があるヒドロキシヒドロキノンが生成する。一方では、コーヒー中のポリフェノール類は動脈硬化,老化がんなどをひき起こす活性酸素を減少させる。コーヒーの変異原性と抗酸化作用を比較すると後者の方がはるかに強く、結果的にがん予防効果が上回ると考えられている。




分布
 吸収されたカフェインは血液循環を介して速やかに全身に分布する。マウスを用いた実験でカフェインを経口投与した場合5分以内にほぼ全身の組織で検出される。
カフェインは血液−脳関門を容易に通過して中枢作用を発揮する。当然血液−胎盤関門も通過する。そのため妊婦がコーヒーや茶、あるいはチョコレートを摂取すると胎児にもカフェインの影響が及ぶことになる。


 健康成人の場合、吸収されたカフェインの約1%は未変化のまま、残りは代謝を受けて尿中に排泄される。血中カフェイン濃度の半減期には個人差があるが、通常は2.5〜4.5時間の範囲内にあり、平均3.5時間である。健康成人であれば摂取後16〜20時間経過すれば、吸収されたカフェインの約95%は体内から消失することになる。午後6時意向のカフェイン摂取を避ければ翌日までの大量のカフェインが持ち越されることはなく、蓄積の問題はほとんど生じない。肝機能障害があるとカフェインの代謝が著しく遅れて半減期が延長し通常のコーヒーや茶の摂取であってもカフェインの急性中毒症状が現れることがある。アルコール依存症の肝硬変患者において、カフェインの半減期が96時間であった例が報告されている。健康人であっても、妊娠中は胎児の排泄物の代謝に肝臓が酷使されるのでカフェインの代謝は遅くなる。
逆に喫煙者は非喫煙者よりカフェイン代謝が早い傾向がある。

排泄
 カフェインの代謝産物は大部分が尿中に排出されるので、腎臓に機能障害があると排出が著しく遅延する。カフェインは乳汁中にも排出され、その脳では母体の血中濃度よりも10〜20%高い。そのため母親がカフェインを摂取すると母乳を介して乳児もカフェインの影響を受けることになる。乳児の脳は形成途中にあり、また肝臓や腎臓機能が未完成でカフェインの代謝・排泄能力が低いことを考慮すると授乳中の母親はコーヒー茶,チョコレートやカフェイン含有製品の摂取を制限すべきである。


 免疫学調査によれば毎日コーヒーを飲む人は、ほとんど飲まない人より、HDLコレステロール(善玉コレステロール)値が高い傾向にあるという。また動物実験ではコーヒーに善玉コレステロール上昇作用、体重抑制作用が認められた。これらの結果は、動脈硬化の改善や予防にコーヒーが有効である可能性を示している。

 コーヒー豆に含まれる地古曵さんがエイズウイルス(HIV)の増殖を抑制するという。この化合物は米国の研究者が、南米ボリビアの先住民がコーヒーをせんじたさまざまな病気の治療に使用してきたのに注目して、抽出に成功したものである。しかしチコリ酸の抗HIV作用は今のところ試験管レベルで確認されただけで、内服あるいは注射で投与しても有効なのか、臨床実験の結果が待たれている。

 コーヒーに含まれるカフェイン、その他の薬理成分は、脳の活性化、血流量の増加、脂肪酸の分解促進をひき起こす。これらの効果は原料に有効であることを期待させるもので、プラス面の効能を指摘する報告がいくつか出されている。

 文部科学省の研究によれば昼寝直前の1敗のコーヒーで昼寝の効果が高まる可能性が示唆されている。昼寝で午後の気分をすっきりさせるには、睡眠時間は15〜20分に止め浅睡眠から深睡眠に移行する直前で目覚めるのが良い。睡眠時間がそれよりも長いと、目覚めた後にかえって気怠さが高まってしまう。コーヒーを飲んですぐに昼寝をするとカフェインの中枢刺激作用が強まるので20〜30分間に浅睡眠が行われ中枢刺激作用が最大限に達した段階で目覚めを迎えることになる。そののため、昼の前にコーヒーを飲まない場合より、目覚めた時の気分すっきり感が高くなる。この効果は、目覚めた直後に強い光を浴びると倍増されるという。
パーキンソン病の予防
 パーキンソン病は筋肉が硬直して手足・身体が震えたり、動作がぎこちなくなるといった運動障害で、病気が進行すると地方も高率で出現する。米国で行われた調査によるとパーキンソン病の罹患率はコーヒーを飲まない人と1日4〜5杯飲む人では約5分の1だったという。科学的に実証されたわけでないが、コーヒーに含まれるカフェインが発病の予防に有効であると期待されている。

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